「韓日国交正常化50周年」となった昨年は、政治や歴史的な問題で激しい年であった。そんな中、韓国と日本の民間分野を通じて、相好の文化交流をよりいっそう深める芸術公演のプロジェクトとして、惟政(ユ・ジョン=泗溟大師)と徳川家康の会談を演劇化することが決定した。
タイトルは、「二人の英雄:泗溟大師と徳川家康」


朝鮮時代の高僧である惟政と江戸幕府の初代征夷大将軍。400年前、二人の英雄の対面は、以後約260年の間に、韓国と日本両国および東洋平和の輝かしい礎石を築いた。19世紀後半、日本が明治維新による大日本帝国の軍国主義への道に入る前までは…
今年劇作家登壇50年目を迎えたノ・ギョンシク氏(77)がこのような歴史を創作歴史劇として誕生させた。「二人の英雄」は、彼がこれまでおよそ40作におよぶ長短幕劇を作ったキャリアと、その力量に相応しい重みで手がけた創作舞台た。


【公演概要】
・タイトル:「二人の英雄:泗溟大師と徳川家康」
・上演期間:2016.2.19~2.28(全11公演)
・場所:ソウル・大学路/アルコ芸術劇場内大劇場
・上演時間:100分
・共同制作:韓国文化芸術委員会、スタジオ叛、劇団東洋レパートリー
・後援:文化観光部、東洋大学校


【作品説明】


「刀の時代を経て、文の時代を切り開く」
――創作演劇「二の英雄」は、朝鮮王朝の僧である惟政(1544~1610、号は四溟堂。尊称は松雲大師)と、隣国日本の徳川家康大将軍の物語を描いた歴史劇である。
惟政は大禅師の西山大師(休靜)の弟子として、壬辰倭乱(文禄の役)が勃発すると金剛山から下山し、悲惨な戦争の第一線に参加して従軍する人物。彼は壬辰倭乱と丁酉再乱(慶長の役)の2度の戦争で、義僧兵の隊長として輝く戦果を上げ、陸戦の権慄将軍、水戦(海軍)の李舜臣将軍とともに国と民族を塗炭から救出した不滅の英雄となった。
特に、1594年(文禄3年)、惟政は敵将である加藤清正の陣地に3度にわたって乗り込み、日本軍の侵略の罪状とその不当性を説破しながら、朝鮮の抵抗と怒り、そして気概を知らしめた。7年の戦争が終わると、惟政は日本との平和樹立のために講和使として重大な任務に当たる。1604年(慶長9年)8月、惟政は対馬から京都に入り、翌年3月伏見城で徳川家康と会見した。この会談は朝鮮と日本の国交回復に大きな役割を果たすことになり、当時、強制拉致されていた数千人の朝鮮人捕虜を帰国させる大業を成した。


――惟政と同時代を生きた徳川家康(1542~1616)は、三河の大名家に生まれた。6才の時は織田・今川の人質となるが、1561年織田信長(1534-1582)と同盟を結んで、新興大名として浮上した。
葛藤していた豊臣秀吉(1536~1598)と和解して1590年関東に移し、250万席大名となった。秀吉死後には彼の遺言を聴取した五大老であるにもかかわらず、東軍の代表になって秀吉の息子秀頼の西軍と対決した。
1600年に関ヶ原の戦で勝利し、1603年には大将軍となった。1614年は大阪冬・夏の陣で勝利。豊臣家を滅ぼさせ、徳川武臣政権265年の基礎を固めた。


――「二人の英雄」は、舞台を日本の領土にして、1604年朝鮮から探敵使として派遣された惟政の活躍像を描いた作品である。
文字通り、敵国日本を偵察する役割とともに、2度にわたる戦争で捕えられた善良な朝鮮同胞を帰国させるために交渉の使命を帯びた長い旅だった。その年の8月、釜山で船に乗った惟政は、翌年4月になってようやく帰国することになった。国史と大業を成就するのに、8ヶ月もかかったわけだ。
この作品は、タイトルが暗示するように、両国の二人の英雄を対決させることが主題であるが、実際には二人だけではなく、7年戦争の状況を背景に、時には戦争当時を再現する。そのため、二人を通じて事実的且つ通時的に点検される過去と現在の「痛恨の歴史劇」とも言える。


【あらすじ】
惟政は釜山・多大浦から出発。玄界灘をわたって京都の伏見城に到着する。乱初に殉国した東莱府使の宋象賢の愛妾を捜すため夜の街に出たが、殺害の脅威を受け伏見城に戻り、警護問題に抗議する。日本側が決めた臨済宗の本法寺で7ヶ月間も居所しながら、興聖寺の住職だった円耳禅師を弟子にした。伏見城から7年戦争を論じ、徳川幕府の査閲式を観覧する。この査閲式は、朝鮮側へ密かに武力を誇示し脅威を加えようとする策略だった。以来、二人の英雄は本格的に対座し、所期の交渉が行われる(第8章、第10章)。
日本で朱子学を起こした朝鮮の姜沆と、その弟子である藤原惺窩(1561~1619)、林羅山(1583~1657)の面貌も知らされる(第9章)。
帰国する途中に、富士山、琵琶湖、大阪城、博多、熊本城、名護屋城、廣澤寺、厳原に寄り、釜山に戻る。熊本城で加藤清正と再会し、彼の案内で戦争の出陣地だった佐賀県名護屋城の内部を視察する(第12章、第13章)。
廣澤寺では、僧侶となった豊臣秀吉の愛妾、廣澤を知り、戦で連行された沈堂吉と再開する(第14章)。
二人の英雄は、終始東洋全体を観望しながら、松鶴野鷄の気質、難兄難弟の品格ある志で、龍虎相搏つの指導者的なリーダーシップで交渉を成功させる。


【キャスト&スタッフ】
李睟光役:ナム・イル
ノ大臣役:クォン・ソンドク
泗溟大師(惟政)役:オ・ヨンス
豊臣秀吉役:イ・インチョル
加藤清正役:イ・ホソン
徳川家康役:キム・ジョング
本多正信役:チェ・スンイル
西笑承兌役:ペ・サンドン
景轍玄蘇役:シン・ヒョンジョン


作:ノ・ギョンシク
演出:キム・ソンノ
演出協力:イ・ウチョン
芸術監督:キム・ドフン
舞台デザイン:ミン・ビョング
映像:ファン・ジョンナム
音楽:ソ・サンワン
衣装:キム・ジョンヒャン
メイク:パク・パルヨン
助演出:チェ・ユンジョン
舞台監督:ソン・フンサン
照明:イ・イニョン
制作・企画:イ・ガンソン



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